2サイクルモービルの一般的な片肺となる原因
  

 キャブレターが原因で起こる場合

 @ キャブレター内フロートチャンパー内の油面の高さが狂って来た場合、例えば規定量値を超えるガソリンが供給されるとガソリンはキャブレターから溢れ出て仕舞う、対策としてフロートチャンパー内のフロートが適正値に収まる様調整する。

 A キャブレター内のニードルが何等かの原因(錆やヘドロ)で詰まって仕舞閉じる事ができない、エンジンコンデショナーを用いて清掃する。

 B キャブレター内のスロージェット、パイロットスクリュー等を含め、計5か所間互いの貫通抗が閉塞されている場合、症状としてエンジン片肺か、時々始動するが基本停止状態が多い、またパイロットスクリュー調整に殆ど反応しない、先ずパイロットスクリューとスロージェットの両方を外し、貫通抗すべてに対しエンジンコンデショナーとパーツクリーナーを用いて念入りに清掃する、ポイントとして、エンジン側にある貫通抗を人差し指で塞ぎながらエンジンコンデショナーを吹きかけると、各通路へ行きわたりやすい。 ※ 貫通抗の位置確認は下の写真を参照

 C キャブレター内にあるバタフライがキチンと閉じていない場合、対策として2気筒エンジンや3気筒エンジンの場合、キャブレターとキャブレター間に必ずスロットル調整スクリューが設置されています、キャブレターの後方から強い光を当てながら目視すると、円筒状のバタフライとキャブボディーの僅かな隙間から光が漏れていると、霧状ガソリンが勝手にバタフライをすり抜ける為、プラグが異常に濡れ、結果として片肺エンジンとなります、スロットル調整スクリューを廻しキチンとバタフライが締まる様調整する、もしすり減って隙間が著しい場合は、専門業者へ依頼してバタフライの交換、あるいは位置の調整をして貰う。

 必要品 清掃用のエンジンコンデショナー キャブクリナー パーツクリナー ジェットを高温にヒートガン 固着ジェットの緩め促進にラスペネ ジェット類ネジを外す専用ドライバー キャブノズル内の清除針セット

 リードバルプが原因で起こる場合

 @ リードバルプはキャブレターとエンジン本体の間に設置され、基本的に1気筒あたり1つのリードバルプがついています。

 A リードバルプはキャブをすり抜けた霧状のガソリンと2ストOILの混じった状態で、リードバルプは開きエンジン内へ吸引、エンジン内のクランクが下がった時に吸引し、逆にクランクが上昇する時はリードバルプが閉じる、こういった動作を繰り返し行なってます、しかし経年劣化すると、バルプの腰が弱くなって完全閉鎖し難くなります。

 B PZ480ccの場合、リードバルプ本体丸ごとは販売終了の為購入は出来ませんが、板は購入できるので2気筒であれば4枚購入して交換可能です。

 C リードバルプの劣化は走行距離と年数のどちらからでも不良となり得ると思って下さい。

 D リードバルプ劣化時の症状と見抜き方、先ず解りやすい症状として、ガソリンと2ストOILの吹き替えしがキャブレター方向へ巻き散らかす形となります、ものによってはキャブレターを通過しエアーボックスに迄至る場合も御座います、、これらの箇所を手で触れるとベタベタ感を感じます、ゴム系や樹脂素材の物は経年劣化の割にはピカピカに光っています、酷くなるとエンジンクランクケース内にもガソリンと2ストOILが混じって入り込む為、エンジンと燃料ポンプを繋ぐホースを外し、エンジンを始動するとクランクケース内に溜まっていたガソリンと2ストOILが混じった液体が勢いよく逆流してきます。

 E オークションや古物モービルとして購入した場合、どれだけの期間放置されていたのかまったく予測不能な為、問答無用で交換する形をお勧め致します。

 F リードバルプ不良で起こる症状として、エンジンの片肺、スロー調整が利かない、バックファイヤーを起こす、息つきを起こす、エンジン回転が戻り難い、急なアクセル開閉について行けず激しい息つきが起こる等、プラグが濡れて始動しない等、迷路に嵌り易いような症状がでます、ポイントはベタベタ感と年数の割にはテカり感光沢感があるので見抜けると思います。

 電気系が原因で起こる場合

 

   @ その昔はエンジン片肺となった場合、プラグキャップを外してライン(電線)の先端数ミリをカットし、再接続を!!
つまりライン先端の銅線腐食の為、電気が弱く火花が飛びきれない的な考え方です、でも幾ら古い放置車であっても、先端をカットしたところで電気が強くなるケースは極まれです、この時代に取り付けられたイグニションコイルやプラグキャップは長年放置されていても、殆ど腐食しているケースは少ないです、多少の黒ずんだ銅線だったとしても、極端に導通を妨げる事は御座いません、また火花チェックを行う場合、イグニションコイルが一つか、あるいは二つ構成かを見極め、仮に一つのタイプから左右のエンジンへ供給されていたら、例え片肺エンジンであってもイグニションコイルの故障ではありません、プラグキャップの抵抗値を計測し4KΩ以上であれば正常、以下ならプラグキャップのみを交換、

この片肺PZ車修理を始めてからプラグキャップを外し4KΩ以上の抵抗値を確認したが、4.1KΩ程度のギリギリの数値だったのかもしれません。 もちろんプラグとキャップを装着し火花状態を目視してますが、暗闇の中で火花目視したのが問題なしと判断、しかし今になって思えば昼間であればおそらく弱すぎた火花は見えずらかったはず、その一瞬を見逃しておりました。

結局、2022.01.02に偶々試運転に誘われたのがきっかけで、その時多くのスノーモービルライダーと共に出かけました、やはりエンジン始動すると片肺は治っておらず非力もまま、もうこれ以上治す個所もないなぁ〜と諦めかけていました、私はスノーモービル車両10台参加中の7台目に走行、もちろんパワーが非力であるためです、やっと走りながらも前を走るモービルがスタック続きだったため幾度も途中で立往生、その時偶々ボンネントを開け片肺側のプラグを外して覗くと「案の定 濡れまくった電極」状態でした、取り分けテッシュを借りて電極部の濡れたガソリンを拭き取って乾燥させてから挿し戻し、ついでにパイロットスクリューをホンノ気持ち開きました、一時的には治っても、どうせまた片肺になるだろう!! 

そう思ってセル始動したら片肺だったエンジンがパンパン.・ ・ババンバ ・ バンバン ・ ・バン ・ ・とちょと違ったエンジン音、左右のエンジンリズム音が何時もとは違って聞こえました、もしかして左右エンジンが始動したのかなぁ? 前車のライダーさんもエンジン音を再確認してもらうと、間違いなく左右どちらのエンジンも始動してますね、 でも以前も時々両方のエンジン始動はあっても時期に止まるだろう〜!!

しかし本日は散々走った後なので、何時もの環境下(自宅でのテストエンジン始動)ではなく、片肺エンジンであっても、熱が片肺側のエンジンまで熱々に帯びている制か、今まで不燃焼だった生ガスがマフラーから一揆に押し出されるとケタタマシイ程の青煙幕に覆われ、しばらく何時もより多い煙幕排出が続きました、正直このプラグキャップが原因とは疑いもしなかった、偶々居合わせたライダーさんも過去、南海部品から2輪車用のプラグキャップを購入しスノーモービル車へ取り付けたそうですが、まったく点火しなかったので、態々モービル専門店からプラグキャップ購入し取り付けてみると、見事始動した話をその場で伺いました。

 その時即その疑問が解けました「それはプラグキャップに内臓されている抵抗値」の減少による問題だなぁ!!   、古いヤマハのPZだったのでプラグキャップの抵抗値がそれなりに低くなっていたんですね、プラグキャップの中には新品でも抵抗値を持たないキャップも売られている為、ヤマハのお古族モービルは最低4kΩ以上のプラフキャップを取り付けるようになっています、つまり低い抵抗値のプラグキャップを購入して嵌めてしまうと火花が弱くなります、一方ヤマハモービル専門店ならば4kΩ以上の抵抗値のプラグキャップを扱っているのでモデル名を伝えれば解るはずです。  抵抗値の減少(劣化)が結果として片肺エンジンになっても当然です。

不調の原因を知り早速アマゾンからNGK5kΩ抵抗のプラグキャップを注文し、左右両方のプラグキャップを同時交換しエンジン始動して見ました、始めの頃はエンジン腰下に溜まり続けていたオイルとガソリンの混じったちょい泥化した生ガス燃焼も手伝ってか、もろ青い煙がジャンジャン排出されてましたが、後半から加速も相応に伸びPZ本来の52馬力パワーへ戻った感じになりました、2019年に不動車PZを手に入れてから、あっち こっち 数年に渡って散々修理し、一向に片肺が治らず、最後は1個たった750円のプラグキャップが原因だったなんて、あぁ’’ なんとも情けない気持ちでいっぱいでした、ともかく一件落着しました。

プラグから発生する火花を目視する場合、始めにプラグとプラグキャップを連結します、火花チェッカーから伸びる黒色アース線を車体側のボルトに固定させます、その後セルを廻すか、リコイルを引くと、火花チェッカー内の計測値で稲妻を目視しますが、稲妻の長さ間でもって0V〜4万ボルトの範囲で電圧強度チェックができます、非常に見やすくて解りやすい、安価な測定器です。

単純に火花が飛んでさえいれば、左右エンジンは始動する、この固定された思い込みが泥沼修理へと瞑想しました。

火花チェッカーを購入し目視した方が間違い御座いません、プラグキャップと火花チェッカーを連結せ、チェッカーから車体アースへ接続させた上で計測すると「より明瞭に放電圧が目視でき、0V-40,000Vの範囲で測定可」できます。

 アマゾン プラグキャップ  スパークプラグテスター(火花チェッカー)


  A イグニションコイルやプラグキャップおよびラインが正常の場合、CDIを疑うケースも御座いますが、CDI単体の故障を見つけるにはオシロスコープを返して当てないと解りません、仮にCDIが壊れるとエンジン始動しないだけじゃなく、他のアチラコチラの電気系にもトラブルが発生するはずです、CDIはマグネットローダー(発電機)で起こされた電気をCDIに送り、瞬時電気貯めるコンデンサの様です、今迄お古モービルを修理した経験からCDIが故障していたケースはありませんでした。

 B CDI及びイグニションコイル系でもない電気系トラブルによる始動不良としては、PZ車正面向ってエンジン左側にあるマグネットローダー(発電機)、リコイルの裏側にある、マグネットフライホイールとコイルパルサが障害を起こしているケースは多々御座います。
コイルパルサは、フライホイールと非接触ですが、コイルパルサの周りをマグネットフライホイールが回転することでコイルパルサへ電気信号が伝えられ、伝え起こした電気をCDI経由でイグニションコイルへ回され高電圧へと増幅、更にプラグキャップの抵抗値を経て、プラグへ稲妻電力を送るこの様な流れです。

 C 問題はコイルパルサへ電気を伝える際に、マグネットフライホイールには3か所のマグネットが埋め込まれており、経年劣化で激しく錆びついている場合、この3か所のマグネット部の錆を紙やすりで磨くことで、稲妻電力が復帰、 ただこのケースではエンジン片肺になると謂うよりも左右両方エンジン始動が望めていないはずなので、今回の原因片肺エンジンとはちょっと違う様です。

 D 従って結論から謂えば、電気系のトラブルでエンジン片肺が起こるとすれば、プラグキャップの故障(抵抗値の減少)か、ラインの断線くらいしかないでしょう、それ以外はどちらのエンジン始動も適わないはずです

 必要品 抵抗値測定用のテスター スパークプラグテスター(火花チェッカー)

 エンジン圧縮が低くて起こる場合

 @ エンジン圧縮が低くて起こる片肺エンジンの場合も想定し、不動車モービルを手がける前にエンジンからプラグを外し、プラグ穴に圧縮測定器を取り付け、圧縮測定値の確認が必要です。

 A 確かにリコイルを引けば重い手ごたえは御座います、しかし左右のエンジンがあるケースではどちらかが重くとも、片方が抜けている場合も御座います、仮に抜けていたとしても2ストOILをプラグ穴からピストン上に垂らして引いて見た時、若干でも圧縮比が向上すれば、ピストンリングの交換で蘇るケースも多いので、先ずは圧縮比の測定をお勧め致します。

 B ヤマハメーカー確認によれば、PZ2型の規定圧縮比は7.0kだそうです。

 必要品 アマゾン エンジン圧縮測定器

 
左側のパイロットスクリュウー調整が殆ど利かずエンジン片肺が続いた


 兎に角、嫌気をさすくらいあちこちを疑っては修理しまくったが、一向に治りそうで治らない2サイクルエンジンの片肺、 本当に始末に追えません、初めの頃は失火エンジンプラグが異常に濡れ気味で、時々エンジンはかかるがプラグが濡れて再び失火、その時は、キャブレターを固定しているエアークリナーとの間のブーツ内が、ベトベト気味でしかも光沢感もあって、年数劣化のわりにはしなやかさも感じる程、もしかしてリードバルプが閉じず開きっぱなしによるOILとガソリンの吹き替えしが原因かと疑い交換修理をしたが、片肺は治らずでかつ依然パイロットスクリュウー調整も利かなければ、スクリュウーを一番締め切った状態でもエンジンがかかる時もあった、しかもキャブレターからエンジンに向かって霧状のガソリンは圧縮されたピストンとクランクの両方に流れ込む始末で、クランクケースとシリンダーブロックの隙間からガソリンが滲みでる。

左右のリードバルプ板を入れ替えたが失火エンジン側の負圧をシンクロメーターで計ると8.5、一方エンジン始動する側を計測すると6.5で、しかもパイロットスクリュウーを廻し調整するとスロー回転に反応する、しかし戻し1回転前後と通常の位置よりは閉め気味方向でスロー時の回転数が一番あがる。

通常のパイロットスクリュウー調整値 一番閉めた状態から緩めて1回転半〜2回転と4/1の間にあればよいとされています。

Yamahaのチャンパーフロート油面高さは、ボディーとフロート先端のベロの間を計測し、9.5mm〜13.5mm、これを超えるとガソリンがオーバーフローします。

キャブレターを外し簡易的なクリーニングとして、フロートチャンパーの左右油面調整を行い、メインジェットやスロージェットも外して点検、特に目立った穴の閉塞はなく綺麗な方だった、ただしフロートチャンパー底面にはたくさんの錆びた粉、そして周辺も錆びていた為、ワコーズのメタルで磨き上げ組み戻して見たが、やはり片肺は治らないままだった、、、、

  次に疑ったのが、パイロットスクリュウー調整が利かないという事から、パイロットスクリュウーと繋がっているすべての貫通口の何処かが閉塞しているに違いないと疑い再び修理に入った、先ず左右のパイロットスクリュウーを抜き取って、穴に差し込んでパーツクリナーを勢いよく噴霧して見ると、結果は以下となった。

   @ エンジン側の貫通口へ勢いよく吹き出した
   A 上記@に写っているエンジン側の貫通口を指で塞いで再び噴霧すると、エアークリナー側の貫通口とエアークリナー側手前にある3つの貫通口中一番右側の穴からも噴き出た、更にスロージェット穴からも抜け出た
   B エンジン側@の貫通口を指で塞いで再び噴霧すると、エアークリナー側の貫通口とエアークリナー側手前にある3つの貫通口中一番右側の穴からも噴き出た、更にスロージェット穴からも抜け出た
   A エンジン側の貫通口を指で塞いで再び噴霧すると、エアークリナー側の貫通口とエアークリナー側手前にある3つの貫通口中一番左側の穴からも噴き出た、更にスロージェット穴からも抜け出た
 
 パイロットスクリュウーは、キャブレター内の合わせて5か所に貫通しており、上記写真のどこか一か所でも詰まっていれば、エンジン始動時のスローに異変があるはずです、今回の様にエンジン失火による片肺現象もあれば、始動時から中域回転内での息つきや回転の戻りが遅い等も起こり得るでしょう、

付け加えるならば、エアークリナー部から見てキャブレター後部にあるバタフライバルプを中心に始動時は塞がれています、エンジン始動すると強力な負圧が発生し、エンジンは強引に空気を吸引しようとします、しかしバタフライバルプで強制遮断してますので、まったくガソリンが流れて行かなければ、エンジンがスロー始動続行をできなくなって仕舞います。

そこでこれらスロージェット抗から汲み上げた僅かなガソリンをバタフライバルプの前後に貫通口を設け、その途中にパイロットスクリューが設けられており、僅かなガソリンの流量調整ができる様、設けられた装置、即ちパイロットスクリューです。

   B スロージェットを抜き取りより穴をより大きくした状態で、同様にこの穴から逆にパーツクリナーを噴射、穴の開口が幾分広がった制か更に勢いよく抜け出た
   C 抜き取ったスロージェットには細い穴が4か所空いています、すべて貫通させなければいけません。
   D エアークリナー側の底面に3か所の穴が開いてます、一番右側の穴はスロージェット抗やパイロットスクリュー抗と互いを貫通している最重要な穴です、ここも詰まっているとスロー安定はしません。
この写真はPZ2型純正キャブレターの写真です、PZ1型のキャブレターは一番左側の穴は開いていますが2型はメクラとなっています。

上にも同様の写真があるので見比べると解ると思います。

  最後にパイロットスクリューを組み込んだ後に、スロージェットの穴からパーツクリナーを噴射、すると貫通するすべての穴から勢いよく抜け出た

終えて見たが、特に目立った穴の閉塞は見当たらなかった、でも繊細な場所につきもしかしたら片肺が治ったかもしれないと思い、再びキャブレターに燃料ホースを繋いで装着しエンジン始動して見た、あれ! 音が違うぞ、もしかして片肺が治ったかなぁ〜

今迄失火状態だったエンジンプラグを抜いて見ると熱々に、更にパイロットスクリュー調整を行って見ると、今迄殆ど利かないスクリューだったが、一番閉めた状態から4/1緩めた付近で同調取れる範囲まで向上した、う〜〜〜ん でも今一、何故なんだ???? もう弄る箇所はないのではと防ぎこんで仕舞った。

もう限界かと感じ、数日放置、でもやっぱり血は騒ぐ、必ずどこかに原因はある、だから片肺なんだ!!

でもその原因は不明で予測もつかない状態である。

それでも再びエンジンからキャブを降ろしじっくりキャブ内を眺めていた、それも結構な時間眺めていた、

そうしていたら、ふと目に飛び込んだ箇所があった、それはバタフライバルプだった!!

早速その時の写真を掲載してみますと、ご覧の通りでした。
   パイロットスクリュー調整が利かない原因がこの写真で確認できます、経年劣化に伴なうバタフライバルプ外周の隙間でした、まったくもって思いもしませんでした、偶々取外したキャブをじっくりと眺めていたら、非常に天気がよかった制で、太陽がギラギラと眩しさ一杯、バタフライに目を向けた途端、あれ〜〜光が差し込んでいるじゃ〜〜なんだこれ^

ここは完璧と迄は謂いませんが、基本塞がっていなければならない場所、この光の差し込む隙間からエンジン内へ空気が吸い上げられてしまう、逆にパイロットスクリュー抗を通る流量もぐっと減り、調整が利かない訳だ、十分すり抜ける現象が起こっていました。

これが原因で必要以上にガソリンが送られて仕舞い、プラグが濡れ濡れ状態だった訳です、、、結果としてプラグが激しく飛び火してもそれ以上のガソリンが流れ込んで失火、片肺エンジンだったと謂う訳でした。


ただのパラノラマ写真ならば太陽光線のリングなのでしょうが、キャブ内でリングの様な光り方はOUTです。
   気づけなかった制で、エンジンを降ろし、リコイルを外し、ジェネレータのフライホイールを撤去し、コイルパルサーのあたる面をピカピカに磨き、電圧をあげた結果、プラグキャップを被せてエンジン外部に接触させながら、セル始動すると強烈な稲妻が出続ける様になりました、それでもエンジンがかかったり、失火したり続いたので、本当にこの修理には悩まされました。

これからはバタフライバルプにもキチンと目をやって塞がっているか? 

確認をしっかりと忘れずに行わないと、飛んでもない迷路へ迷い込むと謂う事を、今回は肌で覚えさせられました。

もう、うんざり感たっぷり味わいました。
   さて原因は解りましたが、このバタフライバルプを止めている2本のプラスネジは裏側がカシメで留まっており、容易に外して交換と謂う事が出来ません。

そもそもバタフライバルプはキャブ本体と一帯となっており、非売品売られてません、一部の修理業者しか持ち合わせがないとか?

調べる限り、幾分でもこのプラスネジが緩めれば、バルプ自体が若干移動できるらしい、ただしネジは真鍮素材でとても柔いです、しかもカシメてあってかつ固着は当然です、

ワコーズのラスペネ塗って一定時間放置後に、プラスネジ部をヒートガンで温めて、動くかなぁ?

リスクは大きくかなり手ごわい、舐めたらOUT、さあ〜

どの様にしてこの隙間を埋めればよいか、、、
   
    左右のキャブレターの中央に設置されている、左右バタフライバルプの隙間調整用のネジです、これをいきなり廻す前に下に写っているスクリュースロットルを緩め(命いっぱい緩める)て起き、強いライトを背景にかざしながら、左右のバタフライバルプが綺麗に塞がる位置に調整する、この時注意する点は、先にスクリュースロットルを命いっぱい緩めて置かなければ、幾ら隙間調整してもバタフライバルプから光漏れが治まらない為要注意です。
    左右のキャブレターを同時にコントロ−ルするのが、スクリュースロットルです、一般にスローが低かったり、逆に高かったりした場合に調整し、1000rpm前後に保つ様調整しますが、以前のオーナーが比較的高い位置に留めて置いた場合、バタフライバルプはソコソコ開いたままになっている場合も多いです、それを知らずにキャブのオーバーホールをし、徹底的に詰り除去を加えた後は、例えスロー状態でもガソリンの流れが格段によくなっている事から、かなりスローは抑え方向に向いているはずです。

したがって、このスクリュースロットルを命いっぱい緩めると、併せてバタフライバルプにも連動している為、逆に命いっぱい閉じる事になります。

それでも閉じきれず開いている時は、専門業者へ依頼いたしバタフライバルプの交換若しくは位置修正を行って貰うのが間違いないかと思います。
   

 アマゾン シンクロメーター価格 5,798円

 楽天市場 シンクロメーター価格 5,480円


 バタフライの隙間調整を行った後に、バッキュームクリナーを用いて、キャブのエンジン側から吸引し負圧を発生させながら、エアークリナー側にはこのシンクロメーターを取り付けて計測しました、その時は約20kg/hと強力なバタフライバルプの遮断効果が出来ましたので、再びエンジンに組み戻し、エンジン始動時に計測した値です。

こちらは最初からエンジン始動していたキャブレターでパイロットスクリュー調整も効く側のキャブレターです、

シンクロメーターを用いて負圧測定している写真です正確には5.9kg/hくらいでしょうか、基本左右のキャブ測定値が揃う事が望ましいです。
   同様にバタフライの隙間調整を行った後に、バッキュームクリナーを用いて、キャブのエンジン側から吸引し負圧を発生させながら、エアークリナー側にはこのシンクロメーターを取り付けて計測しました、約20kg/hと強力なバタフライバルプの遮断効果が出来ました。

こちらは最初からエンジン始動不良していたキャブレターでパイロットスクリュー調整不能のキャブレターでした。

エンジン始動いたし、パイロットスクリュー調整が利く様になりました、その時のシンクロメーターを用いた負圧測定している写真です正確には5.7kg/hくらいでしょうか、基本左右のキャブ測定値が揃う事が望ましいですが、まぁこのくらいで妥協しました。

これで98%くらい迄エンジン回復致しましたが、今ついているプラグは、BPR9ESで標準のBR9ESでは御座いません、BPR9ESはBR9ESに比べて若干先端が長く、燃焼室に置き換えるならば、よりピストンに近い位置で爆発する形になります、ヤマハスノーモービルにBPR9ESを取り付けている車両は時々見かけますが、標準プラグではないのですが、こちらの方が噴けがよく調子がいい場合もある様です、圧縮比の関係なのか詳しくは解りません、期会があったらメーカーに尋ねて見たいです。

やれやれ” やっとまともになりましたが、既に雪は解けてしまい試運転は来期に持ち越しですね。
取り分け車庫占領状態から撤去致し保管用のモービル台に移動させ来季迄入眠です。

空冷、軽量のPZは春先の温暖化走行にも耐えられるエンジンと謂うのが魅力で購入しましたが思わぬエンジン片肺にはすっかり悩まされました。、
 

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