Polaris RMK Pro600 排気バルプ清掃手順

 公開日 2020.12.28
 オーナー自身で行う排気バルプクリーニングの紹介です、一定の工具は必須となりますので予め事前準備されてから作業を行って下さい。
 使用工具 マフラー固定しているスプリングが強力です、専用工具で外さないと怪我します。
   マフラー固定されているスプリングがとても硬くて強力です、写真の様な先端に引っ掛けられる工具が必須です。
他の工具で力任せに引くと危険で怪我をしますので、くれぐれも注意して作業に当たって下さい。
殆どのスプリングは左側写真下のTレンチに似た工具で切り離しできますが、排気バルプ直下のスプリング3か所中の下の奥まった左右スプリングを戻し、引っ掛ける時だけは、さすがに力が入らず上の工具を使用しました。
その理由は、持ち手から先端迄が長い分だけ先端へ力をかけられるからでした。
マフラースプリング外しと戻しで、一番苦労する場所は、排気バルプ直下のスプリングです、ここさえスムースに作業できれば、排気バルプクリーニング作業を行えられるレベルと思って下さい。

初めて作業致す場合は、おそらく半日以上かかる作業かと思いますが兎も角焦らずにゆっくりと着実に進めて行って頂ければ必ずできる作業です。 自身のモービルですから幾日かかっても誰にも迷惑かけませんし、苦情も受けませんので!!
 
 使用工具及び事前準備する物

 @ トルクスネジ専用工具 A M10ロングソケット+延長ソケット10cm位のもの BM10ショートソケット
 C M10スパナ D M13ロングソケット E 先端が曲がりのラジオペンチ F 先端が直のラジオペンチ
 G パーツクリナー3本〜4本 H レギュラーガソリン1L(洗浄用) I 排気バルプに交換用ガスケット左右2個
 J プラスチックリベット外し工具 K シリコンスプレー1本 L インシュロック15cm一個 M ショートタイプのラチェット
 N エアーラチェットもあれば尚よい O ネジロック剤(極弱いもの) P マイナスドライバー Q マイナス精密ドライバー
 R 作業用ペーパータオルかウエス

 前方正面から向って左側のカバーを撤去します。  
 次に前方正面から向って右側のカバーを撤去します。  
 残ったセンターカバーの上の方真横にプラスチックリベットが左右に其々付いてます、車等で使うプラリベット専用穴の開いたヘラでセンター芯を軽く真上に浮かせてから本体を撤去して下さい。
無理な操作をすると折れて使い物にならなくなります、基本きちんと外せば幾度でも使用可能なものです。
 
 プラリベットを外した写真です。  
 次にメーター手前にある、星型のトルクスネジ左右2ヵ所を外します。  
 この様な専用ソケットを手に入れれば簡単に回せます。  
 先端チャンパー固定のスプリングを専用工具で外します、忘れましたが4か所くらいは留めてあった気がします。 難溶度は然程ではありません。  
 この辺からスプリングが固く、届き難いのと、力がかけ難い為、徐々に外し難くなりますが、挿入角度を工夫すれば外せますので、頑張って下さい。  
 排気バルプ直下に接続されているマフラー先端には3か所の固定スプリングがあり、ここが一番厳しく難溶度があがります、その前にご覧のマフラーセンサー配線を切ると厄介なので、配線の元が車体右側の黒の布で巻いてある中で、配線を切り離しできるので、先に外して下さい。
ここで使う工具として、先端が曲がりのラジオペンチと先端が直のラジオペンチの両方を使って配線2本を分離して下さい。
くれぐれも焦って配線切断しない様に慎重に抜いて下さい、ソコソコ端子カバーが低温で硬い為、私はドライヤーで温めて柔らかく柔軟にしてから外す様に心がけました、それでも硬い時はシリコンスプレーを隙間から塗布して行えば、すっと抜けると思います。
また、次年度の排気バルプ清掃時も外す為、抜けやすい様にシリコンスプレーをコネクタ端子に塗布して置くと良さそうです。
 
 仮にマフラーセンサー配線が途中、結束バンドで留めてあった場合は事前に外して置いて下さい、  
 ここが、マフラーセンサー配線がジョイントされている箇所です、日本製と違って、慣れてない人は切離し難いです、従って上の手法を用いると楽かも知れません。 如何せん切断しない様に注意して下さいね。  
 いよいよ難溶度の高いスプリング外しに入ります、先ず真上のスプリングは簡単に外せます、次に左下のスプリングを外して下さい、上から外そうとすると力が入りずらい為、車体左側からだと用意に手が入りやすく、見えやすいのでそっちから外すと楽です。  
 右下のスプリング、ここが一番大変な外し箇所です、ここばかりは上から外す以外ありません、頑張って下さい、ここが抜けなければ、諦めてポラショップへ預ける他ありませんレベルです。

他、写真には写ってませんが、マフラーがボンネット内前部で急カーブ(一番カーブ)している箇所の直下にもスプリング一本留まっているので必ず外して下さい。
 
 これは3か所のスプリングすべて外した写真です、ここまでできれば、全体作業の半分は終わったレベルです。  
 マフラーを撤去した直後の写真です。  
 ご覧の様に左右のドーム状の黒カバー内に排気バルプが収納されています、このカバーはM10ネジ4本で固定されています、ネジには軽度のネジロック剤が塗ってあります  
 先ずは車体正面の左側から先に作業開始します、黒カバーを外すとご覧の様にカバー内にバネが収納されています、このバネを落とさない様カバーと共に外して下さい。  
 次に排気バルプへ接続されている黒ホースを外して下さい。
先端曲がりのラジオペンチでクリップをホース奥へ移動させる。

次に引き抜くのですが、もし硬くて閉めが固着している様なら、焦らずに先ずはドライヤーで温めゴムホースを柔らかくし、プラリベット外し工具の先端をゴムホースとパイプの接合部に押し込み捻る事で簡単に外せます。
 
 排気バルプを僅かでも手前に引き抜こうと、浮かすと中からヘドロ状のコールタールがドロドロと落下して来るため、下に汚れ防止の為何か敷き詰めて下さい。  
 排気バルプを引き出したら、取り分けパーツクリナーで洗浄して下さい、その際マフラー排気管から汚れた真っ黒なアルーコール水が垂れてくる為、殊更何か汚れ防止の布切れか、ペーパータオルを引く必要があります。  
 パーツクリナーで洗浄した写真です、次に車体右側のカバーを外しますが、M10ネジ4本中、赤色の1本だけはM10のスパナでなければ狭くて回せません、あるいは極小さい高さのソケットでも外せるかも知れません。  
 写真を見て下さい、右側の排気バルプを引き出そうとすると、ご覧の様にフレーム支柱にあたってしまい、抜けません。
難溶度高そうですが、さあ〜 どうするか? 
 
 右側の排気バルプを抜こうとしても、フレームセンター支柱に阻まれてこの様に引き出せません。  
 そこでフレームセンター支柱に当たって引き出せない為、フレームセンター支柱を押さえている2本のM13ボルトを緩めます、最後までネジを抜く必要はありません、一定程度緩めれば、排気バルプは引き出せますので、M13ボルト2本共に写真に写っている付近まで緩めて下さい。  
 車体正面から写した写真となりますが、何ともお邪魔なフレームセンター支柱ですが、車体左側へ数センチ動かす(移動させる)ことで、右側の排気バルプを引き出すことができます。  
 いよいよ外した左右の排気バルプ洗浄です、排気バルプは上と下があります、先ずこれを頭に入れて下さい。
今写っている写真は下の部分です、つまりエンジンで云えば排気マフラー側にあたります、戻す時仮に上下反対に取付けて仕舞うと、エンジンパワーが落ち、本来の馬力が出なくなるので間違えない様、組み戻して下さい。

下の写真との違いは切り口が広いです。
 
 こちらは切り口が狭い方が上になります。組み戻す時はこちら側が上にして挿入して下さい、くれぐれも間違えぬ様注意して下さい。  
 赤いゴムカバーを捲ると、タールで真っ黒、L2500円以上の2サイクルOILを使用していても、これだけ汚れます、基本毎シーズン毎に清掃して下さい。
パーツクリナーで綺麗になるまで洗浄して下さい。
 
 排気バルプの上にあたる写真です。

清掃には、金プラシ程度では落ちません、マイナスドライバーで粗方削り落とす、四角の中は精密時計ドライバーを使って溝迄削りおとす、最終的に金ブラシで擦り、パーツクリナーで洗い流すか、レギュラーガソリンで洗い流す。

っとご覧の様にピカピカになります、初めマイナスドライバーで削ったら傷だらけになるのでは? こう思いましたが何のその!! 

排気バルプの素材の方が超硬く、ドライバー程度の爪を立てたところでまったく傷一つ付くような素材ではありませんからご安心を!!
 
 排気バルプの下にあたる写真です、切り口が広いので解りやすいでしょう。

上下逆さまに組み込みは注意ですよ!!

毎年シーズン前かシーズン終了毎に清掃して下さい、煙突掃除の一環です、ハッキリ謂って中古車両の場合、排気バルプ清掃していない車両は多いと思います、下手すると2000km超えても一度も清掃していない車両もあるかも知れません、排気バルプ内はヘドロ化しておりそれなりのパワーも乏しくなっていると思います、長く乗るなら整備は欠かせません、これは所有オーナーの性格その者が滲み出ていると思いますが如何でしょうか?
 
 磨いたら最後に新しいガスケットと交換します、ガスケットの値段は幾らでしょうか、私の場合、北海道千歳市にあるサカイレーシング様からポラリス純正ガロンサイズのVESスペシャルOILを購入した時に、交換ガスケットをサービスでつけて頂いた為、値段が解りません。

サカイレーシング様はとても親切丁寧に整備指導して頂き大変助かっております、私は購入していない車両にも関わらず遠方の私に迄整備手順を指導してくれて、本当に頭が上がりません。

但し、話しを聞いたレベルで整備が解るレベルの人は、そもそもがモービル整備を幾度も行っている為に、例えば「あそこの箇所の修理」だなぁ〜 と理解できると思うのですが、整備(モービルばらしを含め)を一度も行った経験のない人に取っては、何処の何の部分を説明されているのか、解らないと思います。
 
 綺麗にしたところで左右の排気バルプを組み入れた写真です。  
 次にフレームセンター支柱を抑えるM13ボルトを閉め戻します。  
 マフラーを戻し組み込ました。  
 マフラーセンサーコネクターを挿入し、黒い布で収めたところです。  


 現在2,228kmとなりました、やはり2サイクル車は高級OILを使う事で、エンジン内部消耗に重く圧し掛かって来る乗り物です、こうして車両をばらして整備を進めことで、この車両の程度が把握できるかと思います。

これを読まれたドライバー様は、是非ご参考にされ整備に力を入れて下さい、そして故障のない車両を目指し維持して頂ければと思います。


如何でしたかご参考になれば幸いで御座います。
 

ご覧のPolarisProRMK600はアメリカPolaris社WEBサイトから直接部品オダーが可能なのでリンクを張って置きます。

 Polaris Pro RMK600

 上記リンクページをクリックすると、パーツ毎の展開図が開きます、修理交換されたい部品の図柄をクリックします、すると部品ごとに番号が振られ、値段$価格が表示されます、必要個数を入力、お名前、住所、メール等を登録し、支払はマスターカードかVIZAカードで決済可能です、注文から到着まで3週間〜4週間 


 
追伸:  2000km手前の中古を手に入れたスノーモービルですが、どの程度の素材か不明な為、一旦福島県内の某ポラ専門ショップへ搬入し整備して頂きましたが、自分でもできるグリスアップとか、曲がったアイスカッターの修正とか、コンピュータ診断(稀には良いかも知れませんが、ショッチュウやっても意味がない銭稼ぎ)のみで、一番重要で肝心な排気バルプ清掃はしていません、これが整備でしょうか? 違和感を感じそれ以来そのポラ専門ショップに行くことは無くなりました、、、

その癖、整備費だけはまともに徴収され、ポラ専門店と謂いながらも交換部品は何一つ置かない、仮に修理依頼をすれば初めてアメリカから注文取り寄せ、それじゃシーズンは終わってしまい乗車する事すらできません、形式上のポラ専門ショップ、売れない新車売りをボヤいていました?

今はネット時代、こうした整備情報が誰彼関係なく見れる時代です、客と専門ショップを繋ぐ差って一対何処にあるのでしょうか、やっぱり専門ショップですねと謂う驚きが足らない気がしてなりません、、、

やはり自身のモービルは自身で整備するオーナーがネットの普及に合わせ増えて来ました、自己整備が一番だと犇々と感じました、苦労は致しますが如何せん手抜きはしませんし、納得の行く妥協まで整備できます、そして作業料は一切掛からないですから、暇と時間あらばチャレンジです。 部品発注は本社ポラリスページから幾らでも取り寄せが可能です、ショップ経由は当然上乗せ請求は受けるでしょうから、それを行なっても埋める事のできる専門ショップだけが、これからは生き残れる時代かと思います、如何でしょうか、これらは最終的に自身の技量に繋がって行く時代ではないでしょうか。

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