ダイハツ ミライース LA300S |
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フロントハブベアリングの交換 |
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約10万キロ前後となる頃からブーンと唸る様な異音が車両下部なのか前方向なのか、ハッキリと掴めませんが聞こえる様になり、それがきっかけで交換致すこととなりました。 新車中古に限らず一定程度の走行距離を迎えると、必ず消耗いたす部品の中に前後4輪タイヤのハブ奥に圧入されているベアリングの摩耗が出て参ります。 走行中道路の音も拾う為、どれが摩耗したベアリングから出している異音で、どれが道路ノイズの音なのか、感覚的な類なので個人個人千差万別であり、素早く気づくドライバーもいれば、余程轟音になるまで気づかないドライバーもいるでしょう、何れにしても安全担保している部品の一つですから、そうそう無視も出来ません。 過去軽トラックでリアハブベアリングやOILシール交換が一度御座いました、でも今回のミライースでは初めてのトライとなります。 交換部品はフロント左右のベアリング 純正品番 43560-B2020 社外品 9004363319 1個1980円×2個 フロントハブロックナット 純正品番 90041−79274 1個769円 社外品 大野ゴムRN1016 2個780円-900円 作業に辺り今回使用した特殊工具を先に掲載致します。 |
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プルスリーブキット 28点セット |
油圧プレス アタッチメント 52点セット |
ベアリングの脱着・挿入およびハブの脱着に使用 |
ベアリングの挿入に使用 |
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スライディングハンマーセット |
ベアリングプーラー 30-75mm |
ハブの脱着に使用 |
ベラリングのインナー脱着に使用 |
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上記提示致しました工具は必ずしも必要では御座いませんが、私が行った結果では上記工具がないと作業が進みませんでした。 他にハブからインナーレースを外す際に万力(バイス)も必要不可欠です。 それでは交換作業を入ります。 |
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車をジャッキUPして、左右のタイヤを脱着します。 |
赤丸で囲ったハブ中央部のハブロックナットをエアーインパクトを使って 外しますがその前に、下の写真を見て下さいロック部の窪みを解除させ ねば、廻す事が出来ないので、ある程度窪みを元の位置に戻します。 |
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マイナスドライバー等を使ってやじるし方向へ押し上げる |
ある程度持ちあげ廻せる状態にさせれば廻せます、非常に力が掛かる 部位なので再使用はお勧め致しません、もしロックナットを用意していな い場合は古いロックナットを一旦装着し、新たなロックナットが届いてか ら交換されても問題はないでしょう、交換には軽くジャッキUPしてタイヤ を外せばロックナットが見えるのでエアーインパクトで装脱着可能です。 |
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サイズはM30ロング六角ソケットで外して下さい、KTC以外の多角形 ソケットですと、196Nmで締まっている場所なので舐める可能性大で すエアーインパクトを使ってナットを廻すと一気に廻せると思います。 |
ブレーキキャリパーの裏側を覗き赤丸二箇所のボルトを外す、112.8Nm で締め付けてあるので結構固く締まっています、ボルトを抜くとキャリパ ー全体が外れます、ブレーキホースが繋がったままで、ぶら下がる形 となり作業範囲が狭く邪魔になる為、私はダイソーで売っているS字フ ックを事前準備して置き、スプリングコイルにS字フックで釣るして置く |
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ステアリングナックルとストラットを固定している2本の貫通ボルトを外す。 ここを外すとステアリングナックルはかなり自由に動かせる様に成ります |
ここまで取除いたらデイスクローダーを撤去する、抜けない場合は 赤丸上下の空き穴にM8のボルトを挿入すると押し出す事ができます |
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再度裏側を覗いてABSセンサー部の10mmボルトを外す、とABSセンサ ー本体を抜くことができます、抜き忘れると車両MCUとABSの通信遮断 が起こり常備ABS警告灯が点灯したままとなるので要注意して下さい。 次にドライブシャフトを引き抜いて、右側の写真の様に右側押し出す、 スプリングコイルから紐を釣るしてシャフトを落下させない様に縛って置く |
先に外したステアリングナックルとストラットを固定している2本の貫通 ボルトを再装着致し手で動かない程度に軽く締める、そして写真の様 にスライドハンマーを装着致しボルト固定終えたら黄色のやじるしの方 向へ向ってちょい強めに繰り返しスライドさせると、徐々に抜けて来る |
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スライドハンマー使ってハブを抜くと、殆どの場合ベアリング内のインナー レースも一所にくっついて取れてしまう為、ボールが剥き出しとなって外れ ます。外れたら、指で掴んでいるスナップリングをここで外します、必ず外し て下さい、抜き忘れて作業するとベアリングが抜けないばかりか、周辺を 破損させてしまうので要注意の箇所です、「絶対忘れないで抜いて下さい」 |
ここからはプルスリーブキットの出番です、正式な名称はベアリング インストーラと謂うのでしょうか、この工具を使う事でロアームやスタ ビライザーのジョイントボルトを外さなくとも作業簡素化できるのが特 徴です、左側はベアリング外径に合わせたジグを選んで、右側はベア リング外周より大きいジグを選んで装着、インストーラーセンターボルト を締めると→方向へ引き出されて来ます、最終的に右側のカップ内 の中にベアリングが落ちて突っ張りが一気に外れぐしゃっとなります。 |
ベアリング脱着時のジグサイズ 左側ジグ外径56/46mm 右側ジグ外径74/64mm |
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装着している写真だけだと、どの辺にベアリングがあるのか判り難い ので、再度上記写真の様に、組み立てて見ましたが如何でしょうか、 これならベアリングの位置が判りやすいのではないでしょうか? |
ベアリングを抜き取った写真です、新たなベアリングを入れやすくする 為に薄くシリコングリスを外周に沿って塗って置くと入れやすいし、また 後から抜く時に頑固な固着もし難いので是非お勧め致します。 |
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錆びているので外した序にシャーシコートスプレーを塗装致しました |
ここからは新しいベアリングの挿入です。 ジグサイズを掲載して置きます。 左側ジグ外径56/46mm 右側アタッチメント黒い抑えジグ63mm 右側ジグ外径66/56mm |
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新しいベアリング挿入が完了しました。 |
再びスナップリングを再装着します、新しいスナップリングと思いましたが 特に経たりもないし、極端な湾曲等も無かったので再使用致しました。 |
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次にハブの再装着ですが、いきなり装着した写真だけだと判り難いので 装着以前に組み込んだ写真を取りました、ハブ挿入される反対面のベア リングはABSセンサーの付いた磁石装着された面です、ベアリングのア ウターレース(外周の固い部分)にしっかりとあてないと、簡単に破損させ て仕舞います、私は挿入に2回失敗して新しいベアリングを購入し、再々 装着致しました、ABSセンサー付きベアリングはかなり精密なので、挿入時 ちょっとした歪みでも破損するので、しっかりとアタッチメントジグをセン ターに充てないと壊して仕舞うのでここが最大の難関かも知れません、 一方ハブは再装着しても良いと思いますが、外したハブにインナーレース が付いた状態で外れるのでそれを上手に撤去するのに時間が掛ります、 ここでは外し方の写真掲載は御座いませんが、面倒な方は新しいハブを 事前購入されて置いた方が交換作業は格段に早く終わると思いますね。 純正ハブ1個税込6600円×2個 品番 43502-B5020 インナーレースを外すにはハンマー、タガネとデイスクグラインダー及び ベアリングプーラーこれらがほぼ必要となります、デイスクグラインダーで ベアリングに切れ込みをつけます、次に切れ込みに向ってタガネを使って ベアリングを叩きある程度かち割って置きます、その後ハブ側に2か所程 凹みのある場所に再度タガネでどつくとインナーレースとハブに隙間が生 れるので、その隙間にベアリングプーラーを挟んで引き出すと脱けます。 |
ハブの挿入側にも予め薄くシリコングリスを塗って置くと入れやすい ハブ挿入時のジグサイズ 左側ジグ外径56/46mm 抑えジグ58mm 右側ジグ外径66/56mm 特にアタッチメントの抑えジグ58mmは絶対噛ませた方が間違い御座 いません、私はこれを装着なしで挿入いたし2個破損させてしまいました、 装着に失敗しベアリング破損させると、車を走らせた途端スピードメーター 内の警告灯にABSが点灯、つづいてCVTがゆっくりと点滅します、そして 勝手にABSが誤動作したり、ベアリング装着時に破損させた事が解ります、 また逆に取りつけた場合でもABS通信が遮断される為上記同様の症状とな りますので、再度新たなベアリングを購入して装着しなければなりません。 ベアリングの装着方向 ABS(マグネット)が付いた面が内側で、通常の面が外側となります。 |
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上記写真の様にハブ中心面にきちんと充てて挿入します。 |
後はセンターボルトをゆっくりと廻しながら締めると奥まで入ると急に 重くなり、そこが挿入箇所の一番奥に突き当たるので解ります。 |
ハブ挿入が終了した後、 @ ステアリングナックルとストラットを固定している2本の貫通ボルトを抜く A ドライブシャフトをハブへ装着し合体させる B ステアリングナックルとストラットを固定している2本の貫通ボルトを95.7Nm締め付ける C ABSセンサーを装着 D デイスクローダーを装着 E ブレーキキャリパーボルト2か所を112.8Nmで締め付ける F 新しいハブナットをエアーインパクトで締める G タイヤを再装着させる H ジャッキダウンしたらハブナット196.1Nmで締めナット回転防止ロックをする I タイヤを規定トルク103Nmで締める |
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まとめ 交換に使う特殊工具と云いますか専用工具の購入代は大変でしたが、一度買えば何度でも使用できるので惜しくは御座いません、むしろデーラーで4輪ハブベアリングを交換していたらおそらく10万円前後の請求が来るのではないでしょうか、10万円あれば専用工具を新調して交換部品を全部購入し、更に交換部品を破損させ失敗させても十分なお釣りが来ました。 問題は、ハブを再使用すれば交換部品としては左右のベアリング2個で済むので、社外品であれば送料込みで5000円以下です。 ただし、社外品ベアリングの場合信用度面から10万キロ持つかどうかは解りません、かといって純正品でも10万キロ以内でガタが来たベアリングもあるので、そこは何とも言えません。 一方ハブを新しくすれば2個で13200円程プラスとなります。 ハブを再使用するか、しないかはハブを外した際にベアリングのインナーレースがハブと一所にくっついて来てしまうので、これをハブから外すのに頑なに嵌まっている制で一苦労するので、予め新しいハブを新調するかどうか決めがたい部分かなぁと感じております、何度か外した経験があれば然程苦にならないと思います、しかし初めてチャレンジされる方にはちょいハードルが高い作業かも知れません、様は用途にあった工具を事前に揃えてさえ置けば、即座に応用作業が可能な為、途中断念の作業にはなり難いです、それから作業前に事前情報をしっかりと把握されていれば難易度はかなり下げられると思っています。 また、ベアリングの挿入は難しくありませんが、ハブ挿入する時が問題なのです、ABS側を押さえてハブを押し込む為、ベアリング(ABS面)のインナーレースを押さえただけでは即座に歪んでしまいます、やはりこの作業には58mmのアタッチメントを噛まして当たり面を均等に挿入した方が間違い御座いません。 もっと正確に書けば、ABS側のアウターレース(外側の丈夫で固い部分)はナックルに塞がれており、充てる事ができません、その為外周ギリギリだとマグネット面をもろに押して仕舞う制で破損させてしまいます、58mmのアタッチメントを噛ますのは破損防止の為です、僅かでも歪んで挿入させた場合ABS通信遮断の異常信号が検知されてしまいます。 最後に交換後の感想として、新車時の様な滑らかな走りが回復しました、なんて言いますか乗っていて大変気持ちよい感じがします、それは4輪ベアリングから出る微音が激減した制でしょうか、ロードノイズは相変わらずですが、静かになったと言うよりも気になっていた音源が消えたのが大きいでしょうか、特に高速道路で実感出来ております。 10万キロ以上も走ると知らず内にベアリング摩耗が進んでいたんですね、これからは工具も揃えたので早めに交換したいと思っております。 戻る |