ハイゼットトラック フロントバンプラバーの交換

 
 ■ 交換までの経緯


 所有していた軽トラック、ダイハツハイゼットトラック、初期登録は平成16年 型式S210P 4WD 約20年経過の中古車です。

症状は走行中たまたま跨いだ小さな溝でしたが、思いも寄らぬ程ドッカーンとしたショック音が車内へ振動する事があるのです、突然とは云え「啞然 このショックと激震は?」 っと感じる程の激震でした、初回は荷台に100kg程度の重さを積載した時に遭遇したのですが、それも偶々だろうと放置しておりました、徐々に進むとまったく荷がないにもかかわらず、ドスン、ガツンと云う程になり、こりゃ~フロントアブソバーのOIL漏れだろうと思い込む様になりました、左右を程度のよい中古品と交換しなければならないと思いヤフーオクで探しました、運よく左右両方で7000円+送料2500円、合わせて9500円で購入する寸前でしたが一旦保留にしました。

それは以前の軽トラックでもハイゼットトラックS110Pでしたが同様の交換を行った経緯があった制で他に疑いはせず迷いはありませんでした。

ところが、夜間寝床で就寝前にタブレット上で偶々見かけた「ガッツーン、車内へ缶コヒーが散乱した」この記事を目に留めました。

それはフロントアブソバーのOIL漏れが原因だったとは一言も書いておらず、文面を読み続けるとこれがOIL漏れによる故障とかじゃなく、「バンプラバー」と言うウレタン樹脂素材のラバー消耗によってもろ鉄同士が突き当たる為に起こると書いてありました。

それを読んで、もしかしたら私の軽トラックも同じ症状じゃなかろうか? 

この様に感じた私は、初めてでしたが早速フロントアブソーバーを外し中身を分解して見ることが先決だと真っ先に思いました、その結果を見てから中古アブソバー購入するか決めたいと思った訳です、、、

ただし、外して見る事はよいのですが、フロントアブソーバーの外周には強力なスプリングコイルが覆っている為、見るにも外さない事には確認することが出来ません。

そこで調べて見ると、特殊工具のスプリングコイルコンプレッサーを使用しなければ外せない事が改めて解りました、早速アマゾンから注文を入れ翌日の午前着で到着しました。

届いたスプリングコイルコンプレッサーを使って予め外して置いたフロントアブソーバーのスプリングコイルを外し上蓋を外して見ると、なんと「ウレタン製バンプラバーは殆ど擦り減って形がない状態」でした。

読まれて感じたと思いますが、バンプラバーはアブソバーの上部カバー内に固定されており、スプリングコイルが外周を覆っている制で、バラバラにして見ないと確認する事ができない個所に収まってします。

これを見た私は迷うことなくダイハツ部品センターへ左右2個分発注しました。

バンプラバーの到着を待って入れ替えをいたし、結果は頗るよくなりました、その時の交換手順を掲載しました。

過去気づきませんでしたが、車はちょっとした溝を渡った際に上下にジャンプします、着地する手前はフロントアブソーバーは最長に伸びきってから最短となってショックを吸収しますが、その時にギシギシと音が出ていれば、バンプラバーの擦り減りが進んだ制のギシギシ音と思って下さい。

     
 
フロント左アブソーバー撤去

取り外したアブソーバー  取り外す前のアブソーバー上の固定部
 
■ 作業工程順に掲載


 直にダイハツ部品センターへ申し込む場合、一旦現金を添えて注文に行けなばならない為2度手間となって仕舞います、そこで、近くのダイハツ営業所経由で部品センターに発注した場合は、電話のみで注文ができ部品が届いた連絡を受け、取りに行き支払い後部品引き渡しができました。

部品番号は「48331-87507」2022.9.1現在1個2,200円税込み、以前から比べると値上がりしてました、通常左右の交換が必要なので2個で4,400円、以前なら3,000円くらいでした。 

尚、純正品だから持ちがよいと謂う事もなく経年劣化部品なので、純正品に拘る必要もないと思う方は、アマゾンでも代替バンプラバーの各種購入が可能です、幅はスプリングコイル内に収まればよく、内径高さ測って合わせて注文すれば半額近くで買える様です、下記にAmazonリンクを張って起きます。。

 Amazon、バンプラバーと検索
 
  
 フロントシャフト中央部にジャッキを置きアップします、滑らぬ様切り木材を間に挟みました。
 
  万一外れとやばいので、左側のアンダーフレームにも軽くジャッキアップをして置きました、あくまでも鉄と鉄は擦れてスリップしやすいのと、作業中に地震が来ないとも限りません、念の為です。
 
 この上下2本のボルトを外しますが、日頃廻す事もなく錆びついてガチガチに固まっている場合も多いので、先行してワコーズのラスペネを先に噴霧しておくと、浸透して回しやすく作業がしやすいです。

作業ついでにボルト下のヒダヒダブーツが亀裂(破れ、皹等)があれば一所に交換してもいいですね。
 
 上の写真の真裏となりますが、ブレーキホースを固定するボルト1本があるので同様に外します。 この3か所のボルト外せば、アブソーバーの下段部のみは抜けますが、椅子の下にも固定ボルトが3本程あってそれも外さなければ、抜くことはできません。  
 上に書いた様に椅子をめくり返すとご覧のアブソーバー最上部の固定ボルトが現れますので抜いて下さい。  
  アブソーバーを外すとご覧の様に下が覗ける様に空洞となります。  
  いいいよ取り外したアブソーバーです、最上部中央の黒いキャップを外すと奥まった部分に更にボルトがあります。  
 キャップを外した写真です、マイナスドライバー等で簡単にこじ開け出来ます。  
  新たに購入した特殊工具のコイルスプリングコンプレッサーを使ってコイルの上下にフックをかけ上下間を短縮させますが、一本のみだと万一外れたりするとヤバいので、反対側にも同様に上下間にフックをかけ短縮させます。

一本かけでも短縮させることは可能ですが短縮固定には2か所で作業する方が安全ないので2本がけをお勧め致します、またゆっくり締めながら上下間を短縮させて行くと、ある位置でスプリングコイルのみが簡単に抜き取る事ができます
 
  上の写真ではちょい見えませんでした中央部の奥まった(最深部)ボルト外すとすっかり擦り減って役経たずのバンプラバーが露わとなります。 これで約20年経過したウレタン製のバンプラバーですがすっかり跡形もなく擦り減って残り僅かでした。


これじゃ強いショックを吸収する事など先ずもって無理で、ドッカーンと激震が走った瞬間室内の缶コヒーが散乱するのも当たり前です、もうすっかり機能していないのも歴然ですから、エアーコンプレッサーで粉等含めて清掃し、シリコンスプレーで塗布し滑らかに仕上げてから、下記写真のダイハツ純正ウレタン製の新品バンプラバーに入れ替えます。
 
  写真右の黄色いダンプラバーはダイハツ純正のバンプラバー、そして茶の方がすっかり擦り減ったバンプラバーです、もうその効力は消えて役目を果たしておりません、歴然です。  
  スプリングコイルを抜き取ると異常に擦り減ったバンプラバーがもろ見えになります、しかしよく見て下さいOIL漏れは何処にも確認できません。


以前交換した時はまったく知識がなかった為に、態々ヤフーオークションで中古アブソバーを探して本体丸ごと交換しておりました、でも中に入っているバンプラバーがどの程度擦り減っているか? 確認もせず交換してました。


今回は特殊工具のスプリングコイルコンプレッサーを新調してから修理に挑戦しました、、今思うとどの車も経年劣化すると走行中に上下バウンドした瞬間、ボンネット付近から「ギシギシとした音」が聞こえますが、それはそろそろバンプラバーが擦り減って交換時期が迫っている音なのですね。
 

 ■ この作業で一番の難関

  後の作業は逆の手順となりますが、新品バンプラバーは縦長となる為、ショック部分を一番最上部へ引上げてヘットカバーをつけて即ねじ込みますが、これ簡単じゃありませんでした。

 一旦ショクを手で掴み最上部へ引上げてナットを廻したいのですが、カバーを戻している瞬間でさえ離した瞬時に即下降してしまい、ナットの捻じ込み作業が上手く行きません、僅かでもショックが下降して仕舞うとナットをねじ込む事ができません、そこがこの作業で一番頭を悩ませる部分でした、私はマイナスドライバーの様なヘラでショック先端のネジ溝部を押しつけたままにしながら(出来るだけ下降させない為に)、一瞬にしてカバーを被せ、即ねじ込む感じで気合をいれて作業しました、始めはショックが真っ先に下降する為何度も失敗を繰り返しましたが、思考作業を繰り返している内にコツを掴み締め込み成功すると、もう片方の作業を行う頃はすっかり要領を得ていた制で随分と時間短縮ができました、左右両方の作業時間はジャッキを入れてすべて終えるまで約4時間程かかりましたが、初回トライした方が3時間とすれば2度目は1時間程でした。

作業を終えて今思うのですが、アブソーバー全体を逆さまに向けた状態で作業すればおそらく下がって行かないのでは? 

 スプリングコイルを元に戻す際は、上下を収める受け皿内にピッタリ嵌まる位置があるのでそこにピッタリ位置を合わせて下さい、また新しいバンプラバーの内穴にもシリコンスプレーを塗布し滑らかにして装着するとよいでしょう、バンプラバーは頭の大きい方が上の位置になります、間違え安いのでご注意願います、間違えて取付ても機能はすると思いますがたぶん半減するかも知れませんのでともかく上下の装着時は十分ご注意下さい。

最後に走行時振動でボルトが緩むと行けないので、ボルトには緩み防止の為中等度か軽度のネジロック剤塗布も忘れないで施工して下さい、
 
 ■ 最後のまとめ

 ここから先はすべて逆の手順となる為掲載致しませんが、要領とコツを掴めば然程難しい作業じゃ御座いません、そしてアブソーバーのOIL漏れは少なく、バンプラバーの異常摩耗(擦り減り)が原因で起こる激震が一番多いので、いきなりアブソーバーのOIL漏れと決めつけて交換を考えるのもどうかなぁ、、、と感じました。

 費用のみを見れば、純正のバンプラバーが一個2200円×左右2個と今回アマゾンより購入したコイルスプリングコンプレッサー(2本組セット)1600円です。
仮に中古フロントアブソバーを購入していれば安く見積もってもおそらく送料込みで9500円、それでもバンプラバーが擦り減っていれば更に上記の費用がプラスされるので、賢明な選択ではないでしょうか?

 交換修理作業にあたって必ず必要な特殊工具の購入費として、コイルスプリングコンプレッサー(2本組セット) あとは通常工具一式とワコーズさんのラスペネです、錆びついたボルトを万一折るとこの外す作業が一筋縄では済みません、これを考慮すれば高額なラスペネでは御座いますが、ともかく折ったボルトの処理を考えるならば、安心して外せる方を選びますね。





 
 

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